天涯孤独で亡くなる方、すべてとは言いませんが

人間は生き様が死に様であるなら

やはり、天涯孤独…いわゆる孤独死にならざるを得ない

事情が存在するのかも知れません。

天涯孤独の方が亡くなられた場合

葬儀社稼業も38年になりますと

色々な故人やご家族に出会ったものです。

いま、改めて振り返ると

ひとつひとつの葬儀は、すべて違うということです。

同じご家族でも父母の葬儀を別々に行った場合でも

微妙な温度差というのは存在します。

最近、天涯孤独の方の葬儀を請けることが

本当に多くなり

そのたびに思うことがあります。

私は

亡くなった故人の亡骸で

その人の「人となり」を判断するんです。

そこに故人が亡くなるまでの面倒を見られた

多くの方から、故人の人となりを

聞かされることもあります。

なぜ、親族が居られるのに

誰一人として葬儀に来られないのか…

そこには、来られないようにした

故人の過去の人生模様があります。

「せめて最後くらいは…」と

事情を知らない私は思いますが

その最後に立ち会ってもらえない過去…

実は親族には一生忘れることの出来ない

そして許すことの出来ない壮絶な人間模様が

あるのです。

しかし

亡くなった故人の顔を見ますと

不思議に多くの方が

善人のようで、穏やかな顔をされてます。

これ…本当なんです。

ある親族の方が

亡くなられた時に連絡をすると

「申し訳ないが、お宅で葬儀をしておいて下さい。

遺骨は後日、必ず引き取りに伺いますから…」と

言われ、後日弊社に約束通りに来られました。

その時に言われたことは

「迷惑をこれでもかと言うくらい掛けられました。

いつも早く死んでくれ…そう思ったもんです。

遺骨も本当は引取りたくなかった。

しかし妹が

親の墓に入れてやろう、と言いました。

これ(故人)の両親も苦しんだんです。

金は無心する、警察には世話になる。

本当にバカな男でした。

しかし、親は死ぬまで心配してました。

バカな子供ほど可愛い…と言いますよね。

だからこそ、亡くなった両親の墓に入れてやろう…

そう決めたんです」

その他にも天涯孤独で亡くなられた方の

親族に電話すると

複雑な心境を吐露される方は多いのです。

多くの方が

思い出したくない過去の人生を

亡くなった連絡を相続関係があるからと

行政などから受けると

忘れたい過去の思い出が蘇り

複雑な思いをされるのだと思います。

何年も音信不通で

どこで何をしているのやら…

また、どこかで人様に迷惑を掛けていないか…

色々な思いが交錯するなかに

出来れば、居場所など知りたくもないなど

関わりたくもない思いを持つ人。

「ワシは天涯孤独だから

死んでも誰も来てくれない」

その様に嘯く人の過去には

どうしようも出来ない過去が存在するのだと

思います。

天涯孤独の人の葬儀で起こること


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